Kinesisを初めて聴いたとき、ステレオから流れる音に全身を
貫かれた感じがしたのを今でもはっきりと覚えている。たいて
いのバンドは初め良いと思っても、2〜3ヶ月も経つと飽きてし
まう。しかしKinesisは違った。彼らの純真な理想に触れるた
びに、(陳腐な言い方ではあるけれど)心から感動を覚えた。
さて、このThe Fly Magazine誌のインタビューを読み、感じた
ことは、イギリスも問題が山積みになっているということ。私
達日本人は、イギリスに対して強い憧れを抱きがちだけれど、
実際に住んでいる人にとっては単なる地獄かもしれない。翻っ
て日本を見ると、この国もイギリスに負けず劣らず身動きが出
来ずに窒息しそうな位に大量の問題を抱えてしまっている。第
一、私達の暮らす社会は、「人間は信用してはいけない。下手
に信用すると恐ろしい目に遭う。」というのが暗黙のルールに
なっている。(私自身、学生時代はそうでもなかったけれど、
社会に出てから嫌というほど見せつけられた。)俗に言う性悪
説、太宰文学の根底に流れるのもこれであるが━━やはり、人
間は互いに信頼して生きていくべきだ━━と、私は思っている
。Kinesisが同世代からこれだけ熱烈な支持を集めるのは、や
はり彼等が本当に信頼できる稀有なバンドだからだと思う。そ
して、身動きできない状況としっかり対峙して、変えていこう
とする熱意に、皆が心を打たれているはずだ。
また、Kinesisはイギリス国内だけでなく、全世界で広く聴か
れるべきバンドだと思う。特に日本には、Kinesisのように自
分の才能をしっかりと見据え、自分の意見をしっかりと持った
若者がまだまだ少ないから、もっともっと日本で聴かれるべき
だと思う。いくら次々と出現するバンドの情報を集め、飛びつ
いたところで、あなたの欲求は満たされることはないし、所詮
メディアのハイプに翻弄されてようやく扱いが分かった頃には
、あなたもオジサン・オバサンになっているだろうから、、、
。 (Shiho)